この試験だけはウンチクを書かせてください。

あこがれの! 電気工事士・・・・ 2008.10. 5改定

私の小学生の頃の憧れの職業は「電気工事士」です。
あの頃はあちこちで「電気工事士」が電柱の上で工事していました。
トゲの出た靴とU字ロープで手際よく電柱に登って行きます。カッコイイ!
工事の時は近所一帯が停電します。工事が終わると電気がつきますので手柄がすぐに分かります。
下から見上げているとピカピカの銅線が落ちてきます。すぐに拾って宝物にしました。
その頃から摩訶不思議な「電気」に興味を持ちました。

たのしい技能試験
電気工事士の試験は学科のほか技能試験が有ります。
技能試験は配線図が出題され、支給された材料を使って時間内に結線します。
配線図は前もって13題公表されますので、練習あるのみです。
指定工具と配線材料をネットで購入して2ヶ月前から練習を始めました。
オーム社の参考書を基本にWEBからノウハウを集めて自分なりに工夫して
完璧を目指して練習しました。
制限時間40分に対して最初は60分以上かかる課題も有りました。
しかも電線を切り間違ったり(本番では取り返しがつかない)、接続ミスが続発です。
電線くずがゴミ箱にいっぱいになるほど練習を重ねました。
最後の1週間は帰宅後毎日2題練習し、30分前後で完成する自信がつきました。
学科試験の暗記勉強に比べ技能練習は楽しい!! 腕が痛くなったり、勢いで指から血が出ましたが!!

試験はパシフィコ横浜の展示場で受験者は1000人以上がいました。
準備は万全ですが、1つでも間違えると不合格になるので緊張しました。
他の試験に比べると試験官も受験者も真面目で広い会場がやけに静かです。
材料が配られた時点で問題が分かりました。比較的簡単なNo.1です。
慎重に複線図を書き、ポイントに記号・数字を書き込みます。(これが最重要作業です)
難関はワイヤストリッパが使えないVVR電線の処理です。
これは練習の結果 電工ナイフよりNTカッターの方が効率がいい事を発見し
準備していましたので難なくこなせました。(新品の刃は切れすぎに注意!)
電線の長さはホーザンのP955に書いた寸法ですばやくカット・皮むきします。
切りカスは指定のビニール袋に入れずに大型ウエストポーチに入れます。
使い終わった工具もここに入れます。
結線はまずコネクタ結線を先にして、複線図を確認してからスリーブを圧着します。
ホーザンから頂いたクリップを使わせていただきました。(感謝!)
ほぼ25分で完成しましたので、確認・成型を念入りにして完璧に完成しました。
でも1つでもミスがあるとNGなので合格発表までドキドキ物でした。

私なりのノウハウをまとめて置きます。参考になれば幸いです。

「工具」 ・・・電工ナイフ・電工ドライバなんていらない。セット物は高くつくだけ。
1.圧着工具:これは絶対必要です。
 ミスった時の為、ラッチの解除方法を練習して置きましょう。
2.ホーザンP955またはP956 :よく出来た工具です。使わないと効率半減です。
 縦ゆすりと横ゆすりを使い分けましょう。20cmまでの寸法は握ったまま、これで測ります。
 輪作りは2本同時に出来るように練習しましょう。
 輪作りは必ず出ます。ランプレセクタ(Φ3.5)と露出SW(Φ4)を区別します。
3.短めの+ードライバ:車搭載ドライバや100円ショップ物で充分
 +ドライバーを使うのはローゼット等のネジ締だけです。ネジの外し易さも重要です。
 私は長さが10cmで握りが丸型の物を使用しました。
 −ドライバーは枠取付けとミスった時の電線外しに使いますので幅に注意。
 電工ドライバは長くて大きくて取り回しが悪く作業時間が掛かる。いらない!
4.薄くて軽いウオーターペンチ(つまり100円ショップ物)
 強く締める必要はないので小型で取り回しのいい物が良い。
5.NTカッター:素人には電工ナイフより使いやすい。(電工ナイフはシンボルですので高級品を買いましょう。)
 いつも新品の刃で練習しましょう。切れ過ぎ注意!
 P956が使えないVVR電線(場合によってはエコ電線も)の皮むきに使います。
 VVR電線は折曲げてカッターを当てるだけで簡単に皮むきが出来ます。
6.巻尺:ペラペラの布製がいい。工具の重量は少しでも軽くしたいので。
 電線の長さ確認が終わったら30cmくらいを机の手前に張って置きます。
7.ワイヤストリッパ:あると便利です。私は使いましたが無駄使いの気もします。若者はP956で充分です。
8.「予備工具」:ペンチ・ニッパー・ラジオペンチ・ドライバーなどを足元のかばんの中に準備して置くだけ。
9.バンドエイド・ホータイ:血が出ても試験続行しましょう。(毎年 血だらけが出るそうです。)

「作業の手順」:確実かつ効率的に
1.問題用紙材料が配布され内容確認の時に
   ・問題番号を推定する。部品・電線の種類と長さから出来るはず。
   ・作業内容を考える。
   ・必要な工具を用意し、不要な工具を片付ける。
   ・差込コネクタやローゼットのムキゲージの寸法を読み取る。極性表示の確認。
    つまり「はじめ!」の前にもう始まっている。
2.試験開始の合図で直前に暗記した下記の寸法メモの数字を問題用紙に書く。
3.問題を読みポイントにマーキングする。(線種・線色指定、接続方法、BOXの処理・引出方向など)
4.配線図から複線図を丁寧に描く。案外これが出来ない。
5.複線図と問題を見比べ確認し、注意点を追記する。
  複線図に書くポイント
   ・線の色 W・B・R 指定色は丸で囲む。
   ・差込コネクタ接続は■と2・3・4
   ・圧着スリーブは●と◎・小・中
   ・線種(VVF 1.6x2以外)
  ここまでが重要:多少時間が掛かっても確実にやりましょう。
6.部品準備作業:
   ・ブッシングの切込み・取付
   ・電線管取付
   ・取付け枠にSW類取付
7.部品に電線を取付け:電線の長さ順
   ・指定長さを考慮して電線カット
これで部品単位で完成
8.複線図で確認。次の作業を考える。
9.アウトレットBOX内相互接続
   ・芯線むき、圧着スリーブと差込コネクタを区別しておく
   ・忘れず防護管取付 
   ・穴通し
   ・コネクタ結線(白→黒→その他)
   ・スリーブ結線(線数の少ない順)
   ・スリーブ確認・圧着
11.最終確認
12.時間が有れば成型:やらなくてもいい。

私の電線切断・皮むき寸法のメモです。


1つ1つの数字にちゃんとした意味があります。

でも
実は寸法はアバウトでよく
一番下の寸法で問題ありません。



練習を重ねれば
5mm・10mm・20mm・5cm・10cmは
物差しを使わなくても目視で正確に測れます。